課題を解決するためには、日本の現状をしっかりと理解しなければいけません。そのためのデータが実はかなり豊富にあるので、ここで紹介します。
もくじ
RESAS
まず初めにご紹介するのは、地域経済分析システムのRESASです。
概要
RESAS(リーサス)とは、内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)および経済産業省が、産業構造や人口動態、人の流れなどに関する官民のビッグデータを集約し、可視化するシステムです。Regional Economy(and)Society Analyzing Systemの頭文字を取って、「RESAS」と呼ばれています。
RESASは、地方創生の実現に向けて、各都道府県・市区町村が客観的なデータに基づき、自らの地域の現状と課題を把握し、その特性に即した地域課題を抽出して地方版総合戦略を立案することを主たる目的として提供されていますが、一部情報を除き、誰でも利用することができます。
RESASは、9つのマップから構成されており、産業構造や人口動態、人の流れ等のビッグデータをマップやグラフでわかりやすく表示することができます。また、地域課題分析ナビゲーションや政策アイデアコンテストなど、RESASを活用した地方創生に関する情報も提供されています。
RESASの活用方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 自地域の現状と課題を把握する
- 地域課題を解決するための施策を考える
- 施策の効果を検証する
- 地域の活性化に向けた連携を図る
RESASは、地方創生の実現に向けて、地域の課題を解決し、地域の活性化に役立つツールとして期待されています。
活用例
以下に、分析できる項目の一例とざっくりとした使い方をご紹介します。
- 人口構成
- 人口増減
- 人口の自然増減
- 人口の社会増減
- 新卒者就職・進学
- 将来人口推計
- 人口メッシュ
- 将来人口メッシュ
イメージ図
- 地域経済循環図
- 生産分析
- 分配分析
- 支出分析
イメージ図
そのほか、大項目として
- 企業活動マップ
- 消費マップ
- 観光マップ
- まちづくりマップ
- 医療・福祉マップ
- 地方財政マップ
などが分析できます。
RESASのその他のサービスとして、
- RESAS API
- V-RESAS (新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響の可視化)
- RESAS for Teachers (授業にRESASを活用して未来の教育を)
も提供されており、かなり実用的な活用方法について考えられています。
特に、RESAS for Teachersについては、具体的な内容と豊富な資料でシミュレーションを通して学習することができるため、そのまま中学高校の授業で使用できるような作りになっています。
活用しないともったいないと思ってしまうほどの内容です。
政府統計の総合窓口 e-Stat
次に紹介するのは、政府統計の総合窓口(e-Stat)です。
概要
各府省等が公表する統計データを一つにまとめており、統計データを検索したり、地図上に表示できるなど、統計を利用する上で、たくさんの便利な機能を備えた政府統計のポータルサイトとなっています。
具体的には、分野別(土地・気象、人口・世帯、労働・賃金、農林水産業など)や、組織別(内閣官房、人事院、内閣府など)に統計データを検索することができます。また、主要統計や五十音順でも検索できます。具体的には、統計データを分野別(例:国土・気象、人口・世帯、労働・賃金、農林水産業など)や組織別(例:内閣官房、人事院、内閣府など)で探すことができます。また、主要な統計から探すことも可能で、さらには50音順で統計を探すこともできます
政府統計の総合窓口は以下のような機能を提供しています。
- 統計データの検索: ユーザーは分野別、組織別、主要な統計から、または50音順で統計データを検索することができます。
- 地図上の表示: 地理的なデータを視覚的に理解するために、統計データを地図上に表示することができます。
- 統計データのダウンロード: ユーザーは自分の研究やレポート、プレゼンテーションでデータを活用するために、必要な統計データをダウンロードすることができます。
- 統計データの比較: 特定の現象や傾向の変化を把握するために、統計データを比較することができます。
- 統計データの比較: 特定の現象や傾向の変化を把握するために、統計データを比較することができます。
これらの機能を活用することで、ユーザーは自分のニーズに合わせて統計データを探し、理解し、活用することができます。
活用例
具体的な活用例としては以下のようなものが考えられます。
政府統計の総合窓口(e-Stat)は、政策決定や戦略策定のための重要な情報源となります。例えば、地方自治体は人口統計や雇用統計を参照して、地域の経済開発や社会福祉政策を策定することができます。
どんどん高齢化が進む中、国内総生産は全く変わっていない。国が成長していない。
企業は、市場の規模や成長率、消費者の嗜好などに関する統計データを利用して、市場調査を行ったり、ビジネス戦略を立案したりすることができます。例えば、ある商品の販売戦略を考える際に、その商品のターゲットとなる人口層の統計データを参照することで、より効果的なマーケティング戦略を策定することができます。
学者や研究者は、自分の研究テーマに関連する統計データを探し、ダウンロードして研究に活用することができます。例えば、社会学の研究者は、社会の様々な現象や傾向を理解するために、人口統計や雇用統計などのデータを利用することができます。
教師は、生徒に統計的な思考を教えるために、実際の統計データを用いることができます。また、生徒自身も、自分が興味を持ったテーマに関する統計データを探し、それを基にレポートを作成するなどの学習活動を行うことができます。
転職する人の動向を調べたい。
全国的に同じような推移。1997年、2002年がピーク。そこから緩やかに下がってきている。
コロナがあった2020年や2023年がどうなっているか気になる。
ジャーナリストは、記事を書く際の背景情報として、または記事の主張を裏付ける証拠として、統計データを利用することができます。例えば、社会問題についての記事を書く際に、その問題の現状や影響を示す統計データを引用することで、記事の信憑性を高めることができます。
e – GOV データポータル
e – GOV データポータルは、日本の中央行政のオープンデータポータルです。このポータルは、公共データを提供し、個人や組織がプロジェクトや業務で活用することを目的としています。
概要
ポータルの主な内容は以下の通りです:
「データセット」は、オープンデータが登録されたファイルやURLなどの入れ物を指します。このポータルでは、複数の切り口からデータセットを探すことができます。データは以下のカテゴリで分類されています。
- 人口・世帯
- 運輸・観光
- 社会保障・衛生
- 教育・文化・スポーツ・生活
- 商業・サービス業
- 企業・家計・経済
- 行財政
- 通信情報・科学技術
- 農林水産業
- エネルギー・水
- 国土・気象
- 国際
- 司法・安全・環境
データセットを提供している組織を探すことができます。例として
- 内閣官房
- 内閣法制局
- 人事院
- 内閣府
- 宮内庁
- 公正取引委員会
- 個人情報保護委員会
- 金融庁
- 消費者庁
- デジタル庁
- 復興庁
- 総務省
- 法務省
- 外務省
- 財務省
- 文部科学省
- 厚生労働省
- 農林水産省
- 経済産業省
- 国土交通省
- 環境省
- 防衛省
- 警察庁
などが含まれます。
:ショーケースは、複数のデータセットをまとめたグループを指します。様々な切り口でまとめられたショーケースの中から、データセットを探すことができます。
ユーザーはデータセットに関する評価、意見や要望、活用事例、問題報告などを投稿できます。また、他の利用者が投稿した内容も参照できます。
活用例
このポータルのデータセットを使用して、特定のトピックや問題に関するデータ分析を行うことができます。
例えば、人口統計データを使用して、地域の人口動向を分析したり、運輸データを使用して交通の効率を向上させるための戦略を考えることができます。
日本とアメリカは減少傾向。イギリスとイタリアも若干減少傾向。カナダは横ばい。ドイツは増加傾向。
開発者は、このポータルで提供されるデータを使用して、市民に有益なアプリケーションを開発することができます。
例えば、公共交通データを使用して、リアルタイムのバスや電車の運行情報を提供するアプリを作成することができます。
学者や学生は、このポータルで提供されるデータを使用して、研究プロジェクトや学術論文を支援することができます。また、教育機関は、データを使用して、学生にデータ分析や統計のスキルを教えるための教材を作成することができます。
ポータルの「コミュニケーション」セクションを利用して、データセットに関する意見やフィードバックを共有し、他のユーザーと情報を交換することができます。これにより、データの品質や利用可能性を向上させるための提案が生まれるかもしれません。
政府機関や非営利団体は、このポータルで提供されるデータを使用して、政策立案や意思決定のプロセスをサポートすることができます。データに基づく洞察により、より効果的で効率的な政策が生まれる可能性があります。
都市構造可視化計画
「都市構造可視化計画 v4」は、主に国の統計を基にして、全国一律のデータで都市構造を可視化しています。このサイトは、都市の大まかな特徴を把握したり、都市間の比較を行うのに便利です。また、国のデータを利用しているため、データの信頼性が高いとされています。
概要
サイトの主な内容は以下の通りです。
「全国統計版」は、国の公式統計データを基に、日本全国の都市構造を可視化しています。これにより、ユーザーは地域ごとの人口動態、経済活動、交通状況など、多岐にわたる情報を地図上で直感的に把握することができます。これは、都市の基本的な特性やトレンドを理解し、都市計画や政策立案の際にデータに基づいた判断を下すのに非常に役立ちます。
「活用アイデア集」では、さまざまなデータの可視化例が紹介されています。これには、地域固有のデータ、広域分析、自然災害に関するデータ、海外の人口データなどが含まれています。また、建物の3Dモデルや技術資料、活用事例も掲載されており、これらの情報を活用して、ユーザー自身の分析やプロジェクトに創造性を加えることができます。
サイトでは、都市構造可視化計画ウェブサイトの使い方に関する情報を提供する予定です。これにより、ユーザーはサイトの機能を最大限に活用し、効果的なデータ分析や可視化を行うためのノウハウを学ぶことができます。
サイトでは、使用されているデータの出典に関する情報を提供しています。これは、データの信頼性や正確性を確認するために重要です。ユーザーは、データの出典を理解することで、分析の信頼性を高めることができます。
「活用事例」セクションでは、さまざまな自治体での都市構造可視化の実例が紹介されています。これにより、ユーザーは他の地域でどのようにデータが活用されているかを理解し、自分たちの地域やプロジェクトに適用するアイデアを得ることができます。
「参考文献」セクションでは、都市構造の可視化や分析に関連する学術文献や報告書が紹介されています。これは、研究者や専門家が深い知識を得るために役立ちます。また、これらの文献を参照することで、ユーザーはデータ分析の方法論や都市計画のベストプラクティスについて学ぶことができます。
サイトでは、ユーザーからのフィードバックを積極的に募集しています。アンケート形式で意見を送ることができ、これによりサイトの改善に貢献することができます。ユーザーの声は、サイトの機能やコンテンツの向上において重要な役割を果たし、コミュニティ全体の利益となります。
これらのセクションは、「都市構造可視化計画 v4」ウェブサイトの主要なコンポーネントであり、都市構造の可視化と分析に関する包括的なリソースを提供しています。これらの情報を活用することで、ユーザーは都市計画、政策立案、教育、研究、コミュニティ開発など、多岐にわたる分野でデータを効果的に使用することができます。
活用例
都市計画のプロセスでは、都市の特性や構造を理解することが重要です。このサイトの「全国統計版」を活用することで、人口動態、交通状況、経済活動などのデータを地図上で可視化し、都市の現状を把握することができます。これにより、都市計画者はデータに基づいた戦略的な判断を下し、都市の持続可能性や住民の生活の質を向上させる計画を策定することができます。
Google Earthでの表示
名古屋市の昼間人口
名古屋市の昼夜間の人口比
異なる都市間でのデータ比較は、都市の強みや弱みを明確にするのに役立ちます。このサイトを使用して、人口、経済、交通などの分野で都市を比較分析することができます。これは、新しい政策の策定や、投資や資源の配分を最適化するための戦略的な判断に役立ちます。
教育機関や教師は、このサイトを活用して、学生に地理、統計、都市計画などのトピックを教える際の教材として使用することができます。また、研究者は都市構造や開発に関する研究を行う際に、このサイトのデータを活用して、研究の精度と信頼性を向上させることができます。
自然災害に関連するデータを分析することで、災害対策や防災計画を策定する際に重要な洞察を得ることができます。これにより、地域社会の安全性を向上させるための具体的な行動を計画し、災害時のリスクを最小限に抑えることができます。
地域住民は、このサイトのデータを活用して、自分たちのコミュニティの現状を理解し、地域開発のための提案や意見を形成することができます。これは、地域の持続可能性や生活の質を向上させるためのコミュニティ主導のプロジェクトを支援します。
海外のデータを可視化することで、国際的な視点から都市や地域の分析を行うことができます。これは、国際ビジネス、外交政策、または国際開発プロジェクトの文脈で重要です。国際比較を行うことで、異なる国や地域のトレンドや課題を理解し、国際的な協力や戦略を形成するのに役立ちます。
このサイトでは建物の3Dモデルを使用して都市の空間的な構造を視覚化することができます。これは、建築設計や都市計画のプロセスで非常に役立ちます。3Dモデリングを使用することで、都市の空間配置や建物の配置をより直感的に理解し、都市のデザインや開発においてより効果的な決定を下すことができます。
サイトのユーザーは、フィードバック機能を通じてサイトの改善に貢献することができます。ユーザーの意見や提案は、サイトの機能やコンテンツの向上において重要な役割を果たします。また、このプロセスはコミュニティの参加を奨励し、ユーザーがサイトの発展に積極的に関与することを可能にします。
これらの活用方法は、「都市構造可視化計画 v4」ウェブサイトを使用して、都市構造の理解と分析を深め、都市計画、教育、研究、コミュニティ開発、災害対策など、多くの分野でポジティブな影響を及ぼすための手段を提供します。
経済・財政と暮らしの指標「見える化」データベース
「経済・財政と暮らしの指標「見える化」データベース」は、内閣府が提供するウェブサイトで、日本全国の自治体別(47都道府県別、または1741市区町村別)の経済・財政と暮らしに関連する様々なデータを時系列で(1975年から可能な限り最新のデータ)可視化しています。このデータベースでは、地域間の経済や暮らしに関する違いを視覚的に理解することができます。また、元データをダウンロードして、さらに詳細な分析や検証を行うことも可能です。
概要
このセクションでは、ユーザーが日本全国の自治体別の経済・財政と暮らしに関連するデータを視覚的に探索することができます。ユーザーは、特定の自治体を選択し、その自治体のデータを時系列で表示することができます。さらに、他の自治体との比較も可能で、これにより地域間の違いやトレンドを把握することができます。これは、政策立案や地域分析において非常に有益です。
このセクションでは、ユーザーはサイト上で提供されているデータをダウンロードすることができます。これにより、ユーザーは自分自身の分析ツールやソフトウェアを使用して、さらに詳細な分析や検証を行うことができます。これは、研究者、分析者、またはデータサイエンティストにとって特に有用です。
「付属資料」セクションでは、データベースの更新情報や、データの追加、訂正に関するお知らせが掲載されています。これにより、ユーザーはデータベースの最新情報を確認し、データの信頼性を評価することができます。また、データの変更履歴を追跡することも可能です。
このセクションでは、関連する政府機関のウェブサイトへのリンクが提供されています。これらのリンクを通じて、ユーザーは他の政府機関が提供するデータや情報にアクセスすることができます。これは、広範な情報を収集し、より包括的な分析を行うために役立ちます。
ユーザーは、このセクションを通じて、データベースの拡充や改善に関する意見や要望を提出することができます。これにより、ユーザーはデータベースの品質や利便性の向上に積極的に関与することができます。また、これはデータベースの管理者にとって、ユーザーのニーズや期待に応じてサービスを改善するための貴重なフィードバックを得る手段となります。
これらのセクションは、「経済・財政と暮らしの指標「見える化」データベース」ウェブサイトの主要なコンポーネントであり、ユーザーにとって、地域に関するデータを探索し、分析し、活用するための包括的なリソースを提供しています。これらの情報は、政策立案、研究、教育、市民参加など、多くの分野で活用される可能性があります。
活用例
地方自治体や政府機関は、このデータベースを活用して、地域に関する政策を立案する際の参考情報として活用できます。人口動態、経済活動、公共サービスなどのデータを分析し、これに基づいて効果的な政策や戦略を策定することができます。
企業は、このデータベースを活用して、新しい市場やビジネスチャンスを探るための地域分析を行うことができます。また、研究者は地域の社会経済的な特性を分析し、これを学術研究や報告の一部として使用することができます。
各県ごとの総生産金額を比較する
県内総生産。
東京、大阪、神奈川は多い。
鳥取、島根、高知は少ない。
教育機関は、このデータベースを教育資料として使用し、学生に経済や社会に関する実際のデータに基づく教育を提供することができます。これにより、学生は理論的な知識だけでなく、実際のデータを使用した実践的なスキルも学ぶことができます。
地方自治体は、このデータベースを活用して、公共サービスの提供に関するデータを分析し、サービスの改善や効率化に取り組むことができます。これは、住民の生活の質を向上させるために重要です。
市民は、このデータベースを活用して、自分たちの地域の経済や暮らしに関する情報を理解し、地域開発や公共政策に対する意見や提案を形成するのに役立てることができます。これにより、市民は地域社会の改善に積極的に関与することができます。
ジャーナリストは、このデータベースを活用して、地域に関する記事や報道を作成する際に、データに基づいた情報を提供することができます。これにより、報道の質と信頼性が向上します。
研究機関や企業は、このデータベースから得られる情報を活用して、新しい製品やサービスの研究と開発に取り組むことができます。たとえば、地域の経済データを分析して、新しい市場ニーズを特定し、それに基づいて新しい製品やサービスを開発することができます。
ユーザーは、データベースの拡充や改善に関する意見や要望を提出することができます。これにより、データベースの管理者は、ユーザーのニーズや期待に応じてサービスを改善するための貴重なフィードバックを得ることができます。また、これはコミュニティの参加を奨励し、ユーザーがデータベースの発展に積極的に関与することを可能にします。
これらの活用方法は、「経済・財政と暮らしの指標「見える化」データベース」を使用して、地域に関するデータを探索し、分析し、活用するための具体的な手段を提供しています。これらの情報は、政策立案、研究、教育、市民参加、公共サービスの改善など、多くの分野で活用される可能性があります。