第4次産業革命に乗り遅れるな!製造業の3つの課題とAI活用事例4選

世界では第4次産業革命と言われ、製造業でのIT活用が進められています。

昔から製造業では高い技術力を誇る日本ですが、このIT活用の流れには遅れをとっています。

今回の記事では、特にIT活用が遅れている中小企業向けに、製造業の3つの課題と4つのAI活用事例を紹介します。

製造業の3つの課題

人材不足・技術継承の遅れ

日本の製造業は世界に誇る高い技術力を持っており、現在も海外で高く評価されています。この高い技術力は職人の長年の経験と勘によって培われ、支えられてきたものです。しかし、日本の製造業の技術力を支えてきた職人の高齢化が進んでおり、少子高齢化による若い世代の人材不足も相まって技術継承ができていない現状もあります。製造業では、価値のある技術が途絶えてしまわないよう、継承の方法を構築することが求められています。

特に人材不足や技術継承の課題を抱えているのは中小企業ですが、中小企業の技術力は大企業の製品にも関係してきます。そのため、このままでは日本の製造業全体の技術力が衰退していくことが危惧されているのです。

今まで熟練の職人の経験や勘に頼っていたノウハウをデータとして記録・分析し、後継者の育成に活用しなければなりません。また、データで誰でも分かるように情報を整理することで社内全体にノウハウを共有できるため、業務のプロセスもクリアになり情報共有など効率化にも繋がります

ITの活用不足

ドイツでは2011年から「インダストリー4.0」すなわち「第4次産業革命」と呼ばれる国家プロジェクトが進められています。これは、製造業におけるコンピュータの活用に重点を置いており、AIやIoT、ビッグデータなどのIT技術を積極的に取り入れて、製造業を改革することを目指しています。

この流れは世界も同様で、現在の製造業は新しいIT技術を活用して新しい経済価値を創出しようとしています。しかし、日本国内の製造業ではこの流れに乗るどころか、IT技術の活用さえ遅れているのが実情です。

最新のITを活用した設備への切り替えが進まない理由としては、IT化を進めるコストの確保が難しいことや、IT化によって実現できる生産性向上などの効果が理解できていないこと、IT化を進めても使いこなせる技術者がいないことなどが考えられます。

設備の老朽化

製造業における設備投資の傾向は2019年から横ばい状況が続いており、老朽化した設備の最新化が進んでいません。老朽化した設備を使い続けているため、前項で述べたIT活用も遅れることになります。

特にコストの問題や技術者不足の問題から中小企業ではIT活用が遅れる傾向にありますが、中小企業こそ人材不足に備えて社内の情報をデータ化し、後継者になるべく簡単に伝えられるようにしなければなりません。

設備投資にはコストがかかるため、導入済みの設備を丁寧にメンテナンスをしてなるべく長く使い続けることも重要ですが、長い目で見てリターンの大きい設備に投資することも必要になってきます。

製造業でのAI活用事例4選

今回は経済産業省が公開している情報から、中小企業でのAI活用事例を4つ紹介します。

外観検査

製造業のほとんどの工場では、異物・傷・欠陥・汚れ・歪み等の有無を判定し、市場への不良品流出を防ぐことを目的に、製品・部品の外観状態をチェックする外観検査が行われています。

外観検査には多くの時間や人手が必要であり、従業員への負担も大きい作業です。また、熟練の職人の技術がうまく継承されておらず、新しい従業員に検査を一から学んでもらうことも時間と手間がかかってしまうという問題があります。

そこで、AIに良品の特徴を学習させ、不良品を検出させることで検査工程の効率化を図ることができます。

実際に従業員18名の町工場ヨシズミプレスでもAI導入に成功しており、検査にかかる時間や従業員の負担を大幅に軽減させ、利益の増加に貢献しています。(下の画像参照)

経済産業省:AIガイドブックキャプチャ
経済産業省:AIガイドブックキャプチャ

▼こちらのAIガイドブックに外観検査のAI導入について、全体像がわかりやすく説明されています。

需要予測

製造業では、企業によって特定の得意先からの比率が高いため、得意先から得られる内示情報を効果的に活用することが求められます。内示情報とは、得意先がもつ計画の一部であり、確定注文情報に対する事前の見込情報です。

しかし、実際のところ得意先の内示情報から確定注文を予想することは難しく、内示情報と確定注文にズレがあると、納入日に間に合わなかったり在庫を抱えるリスクがあります

自動車用照明機器類・樹脂成形の製造及び販売を行う城南電機工業(従業員数120名)では、まさにこの需要予測の面で課題を抱えていましたが、AI導入によって予測精度の改善幅が大きいもので誤差率52%から24%に改善されました。

経済産業省:中小企業とAI人材の協働による課題解決事例キャプチャ
経済産業省:中小企業とAI人材の協働による課題解決事例キャプチャ

見積もり業務の自動化

特定の業務を特定の人が担当していると属人化が進み、担当者が不在になったときに作業全体が滞ってしまったり、作業の全体像が不明確で情報共有に手間がかかったりします。社内の業務を明確にして誰にでもわかるようにしておくことは、後継者に情報を残していくことにも繋がります。

プラスチック・樹脂の加工を行なっているプラポート(従業員数100名)では、図面から見積りを作成できるのが担当営業のみで、見積り業務が属人化する課題を抱えていました。この課題を解決するため、図面から加工難易度を判断して見積りを自動算出するAIシステムを導入し、担当営業以外でも見積り業務に対応できるようになりました。さらに、見積り回答時間は1時間から20分程度まで短縮され、業務効率化にも成功しました。

経済産業省:中小企業とAI人材の協働による課題解決事例キャプチャ
経済産業省:中小企業とAI人材の協働による課題解決事例キャプチャ

センサーデータを用いた環境分析

AIを活用して従来の社内の課題を解決することはもちろんですが、新しい切り口から社会課題の解決に取り組むことも可能です。

金属プレス加工、各種ろう付け加工などを行なっているチトセ工業(従業員数50名)は、自社が販売している環境情報センサーを活用し、社会課題の解決に貢献しています。コロナ対策としてCO2濃度の値の指針が国から発表されており、学習塾など密になりやすい空間でセンサーを用いて環境分析を行い、部屋や条件による換気頻度や時間を最適化しています。

経済産業省:中小企業とAI人材の協働による課題解決事例キャプチャ
経済産業省:中小企業とAI人材の協働による課題解決事例キャプチャ

まとめ

ひとくちにAIと言っても、画像認識や予測・推論、データ分析など様々な種類の技術があります。効果的なAI導入のためには、AIについて正しく理解し、社内の課題を明確にすることが重要ですね。

事例の画像に「PoC」という言葉が何度か出てきましたが、これは本格的にAI開発を始める前に行う「実証実験」を指します。PoCを行うことで本当に効果があるAI開発ができるのか確かめたり、方向性を修正することでコストを抑えてAI開発を行うことができます。

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