【AI活用の第一歩】正しく知ってる?AIの定義や歴史、種類など

AIが普及し、多くの企業がAIを活用して業務改善やコスト削減に取り組んでいます。

ただ、AIについて自信を持って理解していると言える人はまだまだ少ないのではないでしょうか?

AIをうまく使うためには、正しく理解することがその第一歩です!

この記事ではAIの定義から分類、歴史、種類などを解説させていただきます。少しボリュームは多いですが、この記事を一通り理解できれば、あなたはAIの概要を正しく理解していると言えます!

人工知能(AI)とは

では早速、AIの定義から説明します。

人工知能(AI)とは「Artificial Intelligence」の略で、「推論、認識、判断など、人間と同じ知的な処理能力を持つ機械(情報処理システム)」と表すことができます。

しかし、人工知能の明確な定義は定まっておらず、研究者ごとに異なっているのが現状です。参考までに、日本国内の主な研究者の定義は以下の通りです。

(出典:人工知能学会誌)

人工知能(AI)のおおまかな分け方

次に、人工知能の分類についてです。

ひとくちに人工知能・AIと言っても、お掃除ロボットなどの家電から、自動運転車、プロの将棋棋士・囲碁棋士を打ち破るようなAIなど、様々な場面でAIが活用されています。

研究者によって様々な認識があり、明確な定義が存在しないAIではありますが、処理することのできるレベルや機能の及ぶ範囲によって、レベル別に分類することができます。

(出典:ディープラーニング G検定公式テキスト P4 )

レベル1:シンプルな制御プログラム

エアコンの温度調整、洗濯機の水量調整、電気シェーバーの深剃り調整などの、ごく単純な制御プログラムを搭載している製品。これは制御工学やシステム工学と呼ばれる分野で長年培われた技術で、様々な製品で古くから利用されています。

レベル2:古典的な人工知能

将棋のプログラムや掃除ロボット、質問に答える人工知能など、探索・推論、知識データを利用することで、状況に応じてきわめて多彩な振る舞いをするもの

レベル3:機械学習を取り入れた人工知能 

検索エンジンや交通渋滞予測など、ビッグデータをもとに自動的に判断したりするようなもの。2000年代に入りビッグデータの時代を迎え、益々進化しています。

▼機械学習についてはこちらの記事も参考にしてください

何ができるの?機械学習の学習モデル10種類の特徴と活用事例

レベル4:ディープラーニングを取り入れた人工知能

従来の機械学習では行えなかった、(※1)特徴量と呼ばれる変数を、自動的に学習できるディープラーニングを取り入れたサービスや製品。画像認識、音声認識、自動翻訳など、従来コンピューターで実現するのは難しいとされてきた分野で応用が進んでいます。

(※1)特徴量とは

機械学習における特徴量とは、学習の入力に使う測定可能な特性のことです。たとえば、赤いリンゴと青いリンゴを識別する際には、「色」が特徴量となります。ただし、特徴量は、特徴そのものではなく、その数値化された値を指します。

人工知能(AI)の歴史

今となってはさまざまな領域で認知されているAIですが、これまで「ブーム」と「冬の時代」を繰り返してきました。

人工知能の歴史を、3つのブームに分けて振り返っていきましょう。

(出典:松尾 豊「人工知能は人間を超えるか」P61)

第1次AIブーム「推論・探索の時代」

第1次AIブームは「推論・探索の時代」と言われ、1950年代後半〜1960年代に当たります。コンピュータで「推論」や「探索」をすることで、パズルや簡単なゲームなど、明確なルールが存在する問題を解く研究が進みました

第一次AIブームでは、ゲームでコンピュータが人間に勝利を収めるなど一見するとコンピュータは賢いと思われました。しかし、現実の複雑な問題は解けないという性能的な限界が次第に明らかになり、ブームは去っていきました

第2次AIブーム「知識・エキスパートシステムの時代」

1980年代に起こった第2次AIブームは「知識・エキスパートシステムの時代」と言われ、AIに専門家のように「知識」をルールとして教え込み、問題解決させようとする「エキスパートシステム」の研究が進みました

例えば、医者の代わりに伝染性の血液疾患の診断を行なったり、住宅ローンを組めるかどうかの判断を行うエキスパートシステムなど、様々な分野で開発が進められました。しかし、私たち人間が自然と扱っている知識や概念、常識をコンピュータに書き切ることはほとんど不可能に近く、例外の処理や矛盾したルールに対応できないといった壁に直面し、ブームは再び終息に向かいます

第3次AIブーム「機械学習・ディープラーニングの時代」

そして、2000年代から現在にかけて、第3次AIブームである「機械学習・ディープラーニングの時代」が到来しました。

第3次AIブームは、(※2)ビッグデータの時代に広がった機械学習と、技術的に大きなブレークスルーであるディープラーニングの大波が重なって生まれています。従来の機械学習では人間が特徴量を定義して予測や推論の精度を上げていましたが、ディープラーニングを活用することで、学習データから自動で特徴量を抽出し、精度を向上させることが可能になりました。

(※2)

1990年代半ばのGoogleの検索エンジン誕生以降、爆発的にインターネットが普及し、2000年代に入るとwebの広がりとともに大量のデータを用いた機械学習が広まりました。

人工知能(AI)の進化の3つの理由

3度のブームを重ね着実に進歩している人工知能ですが、人工知能が進化した背景には3つの技術が大きく関係しています。

計算処理能力の向上

まずは計算処理能力についてです。コンピュータの計算能力が飛躍的に向上したことで、大量のデータを高速で処理できるようになりました

特に、GPU(Graphic Processing Unit)の性能が向上したことは、機械学習の実用化に大きく貢献しています。GPUはもともとグラフィックを処理するものであり並列処理に長けています。このGPUを、画像以外の目的で使用するために最適化された技術に、GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units )があります。機械学習に最適化されたGPGPUを使って高速で計算を処理することができます。

ビッグデータ

続いて、ビッグデータについてです。インターネットやクラウドサーバーの普及により、大量のデータが生成、保存されています。機械学習はデータが大量であればあるほど、性能を高めることができます。昔はそのデータを集める作業が大変でしたが、現在では無料のデータセットが公開されていたりと、データを集めやすい環境が整っています

アルゴリズム

そして、忘れてはならないアルゴリズムの進化です。AIの進化には機械学習、その中でも特に注目されているディープラーニング(深層学習)が欠かせません。ディープラーニングの元となるニューラルネットワークの概念はもともとありましたが、GPGPUやビッグデータによりそれが実現可能になりました。

ディープラーニングが出てくる前は機械学習に欠かせない特徴量の設定は人間が行なっていましたが、ディープラーニングは、大量のデータから自動で特徴量を見つけ出し設定するこことができます

AIの種類

ひとくちにAIと言ってもたくさんの種類があります。挙げだしたらキリがありませんが、主要なものを簡単に紹介します。

様々な種類のAIを紹介させていただきましたが、AIは一時のブームではなく、すでに私たちの生活のあらゆる場面で活用されている汎用的なものです。それぞれの分野に特化したAIが、私たちの生活を影でより良いものにしているのです。

企業では、どのような課題を解決したいかによって、どんな種類のAIを使うべきか変わってきます。やみくもにAIを導入すれば良いと言うわけではなく、AIを使ってどんな目的を達成したいのか、明確にすることが重要です。

▼中小企業におけるAI導入についてはこちらの記事を参考にしてください。

急がば回れ!AIプロジェクトを成功へ導く5つのステップ

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。AIの定義から歴史や種類まで幅広く解説しましたが、AIがどのようなものかイメージできたでしょうか?

AIと言うと難しそうでよくわからないものだと思われることもしばしばありますが、決して遠い存在のものではありません。すでに様々な形で私たちの日常に溶け込んでいます。

業務などでAIを活用したい場合は、ここからさらに特定の分野のAIについて知識を深めていく必要があります。全てのAIについて理解することは途方も無いことであり、エンジニアなどの専門家でも難しいです。

やみくもにAIについて勉強するのではなく、ある程度AIについて理解できたら、目的を持って勉強を進めるのが良いですね。

弊社でもAI研修を行なっているので、気になる方は以下のサイトからご確認ください。

AIを正しく理解して、どんどん活用していきましょう!