AIで顧客満足度向上!アパレル業界の3つの課題とAI活用事例4選

マーケットの縮小やトレンドの細分化・多様化により苦戦を強いられているアパレル業界。また、環境への負荷も世界的な課題となっています。

そんなアパレル業界で活用されているAIにはどのようなものがあるのでしょうか?

今回の記事では、現在のアパレル業界の3つの課題と、アパレル業界でのAI活用事例を4つ紹介します。

アパレル業界の3つの課題

マーケットの縮小

少子高齢化に伴うアパレル需要の低下はもともと懸念されていましたが、2020年以降は新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、外出を控える消費者が増加しました。それに伴って洋服の売れ行きは低迷し、単価の高いビジネスウェアやフォーマルウェアの需要も減少しています。

また、嗜好品の要素の強いファッションは景気の影響を受けやすく、景気の低迷に伴って服やバッグなどにお金をかけずに、必要最低限の支出に抑えようと考える消費者が増えます。

少子高齢化や新型コロナウイルスなどの影響によりアパレル市場は縮小傾向にあると言えます。

消費者の低価格志向

一昔前まではブランド品や高級なファッションアイテムがステータスとなる時代であったため、ファッションにたくさんのお金をかける人も多くいました。しかし、景気の低迷に伴いファッションにお金をかける人が減ったり、「ミニマリスト」的志向が浸透してきておりモノに対する執着が減ってきており、消費者全体の支出は減少傾向となっています。

さらに、ユニクロやZARAなどのファストファッションはもともとワンシーズンで交換することを前提に作られていますが、今では機能性が高くさらにデザイン性も優れた商品も多くなっています。

このような流れから、あえて高いものを買わなくても良いと考える消費者の傾向が生まれ、低価格志向が進んでいます。

余剰在庫・廃棄問題

近年アパレル業界で大きな問題となっているのは需要と供給が釣り合わずに大量の在庫を抱えてしまうことや、それらを廃棄しているということです。アパレル業界特有の難しさにトレンドのサイクルの短さがあり、トレンドから遅れた商品の価値は瞬く間に低下し、在庫に回ったり廃棄されることになります。

アパレル業界は製造にかかるエネルギー使用量やライフサイクルの短さなどから環境負荷が非常に大きい産業と指摘されており、国際的な課題となっています。そして、衣服の生産から着用、廃棄に至るまで環境負荷を考慮したサステナブル(持続可能)なファッションへの取り組みが急速に広がっています。

アパレル業界でのAI活用事例4選

AI骨格診断サービス

公式サイトキャプチャ

骨格診断とは、持って生まれた身体の質感やラインの特徴から自分自身の体型を最もキレイに見せてくれるファッションアイテムを導き出すメソッドです。

アパレル業界では実店舗よりもECサイトの売り上げが増加していますが、ECサイトでの購入は試着ができないため、自分に似合うかどうかわからず不安を抱えている消費者は多いです。そこで、AIで理論的に「似合う」アイテムを提案して顧客の満足感をより高める「AI骨格診断サービス」があります。

また、顧客の骨格タイプとファッション嗜好性をデータとして収集し活用・分析することも可能です。

AI自動採寸アプリ

公式サイトから引用

オーダースーツやオーダーシャツを仕立てるためには、身体の各部位の採寸が欠かせません。採寸作業は通常はスタッフがメジャーを使って測定しており、時間がかかる作業です。

この採寸作業をAIで約10分で行うことができます。使用方法は簡単で、アプリから4つの基本項目(身長、体重、性別、生年)を入力して、写真を2枚撮るだけで一切体に触れることなく採寸できます。

1回の測定で完全に身体に合ったサイズを導き出せなくても、AI画像採寸してもらいそのデータを元に一度試着をしてもらい、そこから微調整をすることでお客様に合ったスーツを提供できるようです。

ECサイトのAIチャットボット導入

公式サイトキャプチャ

実店舗ではなくECサイトからファッションアイテムを購入する消費者も多いアパレル業界。自動応答を可能にするチャットボットは、電話などの問い合わせを面倒に思う若年層との接点を作れることや、24時間対応ができるなどのメリットがあります。

実際に、株式会社ナノユニバースではAIチャットボットを導入したことで売上増加に繋がっているようです。AIチャットボットにキャラクターをつけて顧客に愛着を持たれるように工夫しているのもポイントですね。

また、株式会社伊藤忠テクノソリューションズは高度なAIチャットボットが短期間で作れる、新しいクラウドサービス「Benefitterを提供しています。こういったサービスがあると導入のハードルもグッと下がりそうですね。

MD業務サポート

公式サイトキャプチャ

アパレル業界では、MDと呼ばれる業務があります。これは、マーケットやトレンドを分析し、商品企画から販売計画、予算・売り上げを管理する業務です。アパレル業界は他業界と比べて主観や経験が重視されやすい傾向にありますが、トレンドが細分化・多様化されている現代では、生産量と販売量の見込み違いが発生しやすくなっています。

MD業務にAIを活用することで個人の感覚だけには頼らない、AIによる正確なトレンド把握を行なうことができます。

まとめ

移り変わりが激しく経験や勘だけに頼っていられなくなっているアパレル業界。

AIを導入することで業務効率化に繋がったり、新たな価値を提供できるのではないでしょうか?人にしかできないクリエイティブな仕事を楽しみつつ、テクノロジーとうまく共存できると未来は明るくなりそうですね。

▼AI導入のステップについてはこちらの記事を参考にしてください。

急がば回れ!AIプロジェクトを成功へ導く5つのステップ

効果的なAI導入のためには、AIについて正しく理解することが重要です。AIが得意とする作業を知ることから始めましょう!